

山の斜面に一本のワイヤーを張り、伐倒した木を吊り上げて一か所へ集める──架線集材機械「タワーヤーダー」は、作業道をつけにくい急斜面でも木材を運び出せる。急峻な地形の多い日本での活用が期待されているが、普及は進んでいない。その理由のひとつが、どこでどのように使えば採算が取れるのかを事前に判断しにくいことだ。
京都府立大学大学院 生命環境科学研究科 環境科学専攻・森林計画学研究室の木野朗斗さんは、その問いに、タワーヤーダーを使える場所を広い範囲から探る「面的評価」で答えようとしている。地形や架線の条件をもとに、機械を設置した場合に木を集められる範囲を計算し、その結果を地図上に色分けする。事業体がその地図を見ながら、どこで施業し、機械をどう使うかを検討するための判断材料を示す研究だ。
学生時代から現場に立ち、修士課程修了後は林業会社に就職した。そこで突きつけられたのは、研究で丁寧に整えたデータが、そのまま現場で使えるとは限らない、という現実だった。
林業従事者の現場勘を否定するのではなく「経験は活かされるべき」。そう言い切る研究者が、現場と研究のはざまを行き来するなかで抱えてきた葛藤、その先に何を見据えてきたのか。林業の未来へと続く、その道程を辿る。
木野 朗斗
きの あきと○1999年11月生まれ。兵庫県明石市出身。
小学1年生から中学生まで自然体験活動に参加し、生態系への関心を深める。
高校時代、進路情報誌で「森林科学科」の存在を知ったことが、林業の道へ進むきっかけとなった。
京都府立大学に進学後は、1回生から自費でチェーンソーや玉掛け、小型移動式クレーンの資格を取得、学生時代からアルバイト先に林業を選んだ。
大学院修了後は特殊伐採の会社に就職。その後転職した林業会社で現場作業から内業と計画的に経験を積んだ後、2026年4月から博士課程へ戻ってきた。現在も現場と大学を行き来しながら研究を進めている。
「現場に還元できる研究がしたい」その原点
木野さんと山とのかかわりは、小学1年生のころに始まった。小学1年から中学まで、毎月1回、地元・兵庫の自然体験活動に通い続け、間伐も体験。そうした経験を重ねるなかで、高校時代には「一次産業をやりたい」と考えるようになった。ふと進路情報誌をめくっていて目に飛び込んできた「森林科学科」という学科名が、林業の道へ進むきっかけとなった。
京都府立大学一校に志望を絞って入学し、1回生のころから林業のアルバイトを開始する。同じ年、自腹で教習所に通ってチェーンソーと玉掛け、小型移動式クレーンの資格を取得。大学1回生としてはかなり前のめりな経歴に見える。「打算的な話もあるんですけどね」と笑うが、資格があればチェーンソーの作業も重機の手元作業もできる。早く現場で戦力になりたいという一心だった。
学生時代のアルバイト先で経験した現場は多彩だった。特殊伐採の地上作業、比叡山のケーブルカーから見える倒木の処理、鹿柵づくり、嵐山の竹林の穂垣の整備など。そんな過酷な現場を経験してきた学生が、研究室を選ぶ際に迷うことはない。積み重ねてきた現場と重機の経験が活きる場所。そして何より、現場を知る者としてやりたいことがあった。
木野さんが所属する森林計画学研究室は、森林の状態を調査・計測し、得られたデータをもとに「どこを、どう管理するか」を考える研究室だ。長島啓子教授の専門は森林計画。木材生産だけでなく、生物多様性や防災など、森林が持つさまざまな機能を踏まえ、科学的な知見から管理のあり方を探っている。林業機械も、その山で施業できるかどうかを左右する、森林計画の重要な要素だ。そうした研究室で、現場と重機の経験を活かせる研究に取り組みたいと考えた木野さんは、長島先生に思いを伝えた。
「基礎研究じゃなくて、現場技術をそのまま応用できる研究がしたい、と長島先生に相談したんです。そうしたら『タワーヤーダーなら研究者も少ないんじゃない?』って」。


特殊伐採とは
建物や電線、道路などが近く、木を根元からそのまま倒すことが難しい場所で行う伐採。周囲を傷つけないよう、枝や幹を少しずつ切り、ロープやクレーンを使って安全な場所へ移すなど、現場の条件に応じた方法をとる。「木に登る」作業も、その手段のひとつである。木野さんが携わったのは、神社の石垣や鳥居のそばなど、木を倒せる方向が「10度以内」に限られるような現場だった。木を短く切り分けることで倒す方向を細かく制御し、必要に応じてクレーンも使う。「木に登る」こと自体が特殊伐採なのではなく、あくまで安全に木を取り除くための手段のひとつ、とのこと。
タワーヤーダー(架線集材機械)
塔(TOWER)と集材機(YARDER)を組み合わせた名のとおり、支柱とウインチを積んだ移動可能な集材機。支柱の先端から張ったワイヤーロープで、伐倒した木を斜面から引き寄せて一箇所に集める。
かつては立木にワイヤーをくくりつけていたが、人工の支柱を立てることで場所を選ばず架設できるようになった。集材距離はおおむね200~700m、最大の利点は、作業道をつけなくても木を出せることだ。急斜面や、道をつければ崩落の危険がある場所でも施業できるため、傾斜地の多い日本の国土に合った機械とされる。一方で、点状の間伐と相性が悪いこと、技術者が少ないこと、採算の見通しが立てにくいことが普及の壁になっている。
面で見る
タワーヤーダーを生かせる場所を、山全体から探す
「高価な機械を導入したものの、どこで使えばいいかわからない」「とりあえずやってみたが、採算が取れない」
試行錯誤していても、事業体はそのような状態に陥ることが多々あると長島先生は言う。実際、研究室には「ここなら黒字になると思って架線を張ったのに、赤字になった。事前に評価できないか」といった相談が寄せられる。研究について話すと、「もっと早く出会いたかった」「買う前に出会いたかった」といった反応も返ってくるという
「どこに設置するかで、採算が全然変わってくる。なのに、そこが見えないんです」と、木野さんも話す。
なぜ機械を導入する前に、「どこで使えるのか」を見極められなかったのか。
その背景にあるのが、従来の検討方法だ。これまでは、まず施業する場所を絞り、現場でタワーヤーダーを置く位置を決めたあと、そこからどの方向へワイヤーを張れるかを、一本の「線」ごとに確かめてきた。機械を置く地点を起点に、ワイヤーの反対側を支える先柱の位置を決め、二点間の地形を断面図にする。そこで、たわんだワイヤーが途中で地面に触れないか、そもそも架線を張れるかを確認する。難しければ先柱の位置や架線の方向を変え、別の線を検討する。つまり、広い山林のどこで使えるかを導入前に見渡すのではなく、すでに候補に挙がった場所で使えるかを、一本ずつ確かめる方法だった。
木野さんが目指しているのは、その手探りを可視化することだ。広い山林の中からタワーヤーダーを置けそうな候補地点を抽出し、「ここに置いたら、どこまで、どの方向に集材できるか」を面で描き出す。設置候補点から360度にワイヤーを張ったと仮定し、一本ごとにワイヤーの垂れ下がりを計算して、地面に当たる場所と当たらない場所を判定していく。
結果は、架線の状態に応じて色分けされたマップとなる。
一本の「線」だけでは見えなかった、機械の周囲に広がる「使える場所」を地図上で見渡せる。事業体はそれを見ながら、どこを施業候補地とし、どの位置や方向を詳しく検討するかを絞り込めるのだ。
【従来の検討方法と、木野さんが開発した面的評価】
※二つの図は同じ地点を示しているが、縮尺は異なる。
〈従来の手法〉
従来は、等高線を読みながらタワーヤーダーと先柱の位置を想定し、二点を結ぶ一本の架線を候補として設定。
その後、たわんだワイヤーが途中で地面に触れず、実際に架線を張れるかを、断面図や現地調査で確かめていた。

〈木野さんが開発した手法〉
木野さんが開発した手法では、地形データをもとに、タワーヤーダーの設置地点から各方向へ架線を張った場合を計算。集材できる範囲や、中間サポートが必要な範囲などを地図上に色分けして示す。
現地調査に入る前に、架線を張れる可能性のある場所を面的に把握し、候補を絞り込める。

緑:木を吊り上げて集材できる可能性がある範囲
青:架線が途中で地面に触れるため、中間サポートが必要な範囲
赤:架線は張れるものの、地面から高すぎるため、そのままでは木を吊り上げて集材できない範囲
木野さんは、一本の「線」で検討する従来の方法と、「面」で選択肢を示す手法の違いを、こう説明する。
「線だけだと、どこをどうすりゃええんやってなる。面にすると、この範囲は中間サポートがいるからやめよう、この範囲は全部緑やな、じゃあここで伐ろうか、と選べるわけです」。
もちろん、ワイヤーを結びつけられる木があるかなど、現場に行かなければわからない条件もある。面的評価は地図だけで架線計画を完成させるものではなく、現地調査に入る前に、可能性のある場所を広い範囲から絞り込むためのものだ。



修士課程では、この手法をひとつの施業地から始めて、南丹市・美山町のほぼ全域へと段階的に広げていった。さらに、架線を張れるかどうかだけでなく、そこにどれだけの木材があるかという材積や、コストと収益についても検討を重ねた。実際に最初の施業地で、計算によって抽出した設置候補と実際の架設記録を照らし合わせると、機械が置かれた位置も、ワイヤーを張った方向もかなりの精度で一致。その成果は2024年、日本森林学会誌に論文として掲載された。
「誰もやってない研究だったんです。どんな手法が使えるかなって手探りでした。」
参考にできる先行研究は、ほとんどなかった。だから木野さんは、林業の外に手法を探した。山の谷筋を捉えるためには、水が地形に沿ってどう流れるかを調べる計算を応用。機械の設置候補を点として抽出する際には交通分野の研究方法を、そこから見通せる範囲を調べる際には景観や土木分野の解析方法を試した。異なる分野の手法を一つずつ組み合わせながら、「面で見る」研究の形をつくっていった。





「経験を、数字に翻訳する」
現場と研究のあいだで
修士課程を終えたあと、林業の現場へ出る道を選んだのはなぜですか。
木野 朗斗(以下 木野) 早く現場に出たかったんです。それに、研究を現場とかけ離れた机上の空論にしたくないという思いもありました。最初に入ったのは特殊伐採の会社で、従業員は3人。伐採だけじゃなく、SNSの広報も、測量用ドローンの操作と解析も、営業も、ダンプの運転もやりました。次に入った林業会社では、1年後に大学へ戻ることを伝えたうえで、週3日勤務していました。勤務日以外は大学へ通い、研究を進めたり、学生の補助をしたりしていました。大学に戻るまでに、いろんな勉強をさせてあげようと、社長が仕事を組んでくれたんです。前期は現場でチェーンソーや重機を扱い、後期は現地測量や補助金の申請を担当しました。
ただ、会社で現場や内業をこなしながら、大学での研究も続けるとなると、さすがに体が足りません。研究にきちんと向き合う時間を確保するため、会社を退職して博士課程へ戻ることにしました。
現場に出たことで、見えてきたことはありますか?
木野 大学のころから現場には入っていたんですけど、自分たちは広域のデータを整備しているのに、なんで現場がそれを使わへんのか、というのがずっと疑問でした。就職して現場の人たちと情報交換を重ねるうちに、その理由がはっきりわかりました。ドローンや地上からのレーザーで木の高さや太さがわかっても、研究者が「使える」と考えるデータと、現場が「欲しい」データが違う。例えば、木がどれだけ曲がっているか、どれだけ腐っているか。それで木材の価値が大きく変わる。「この山から何立方メートルの木材が出る」と言われても、実際に入ったら使える木材はこれだけしか出てこなかった、みたいなこともある。どれだけ整ったデータでも、木材の価値や現場の採算に直結できないと実用的ではないということだったんです。
現場で生きるデータにするためには、情報の質を含めて、現場とのギャップを埋める必要があると痛感しました。
事業体が林業機械を導入するとき、判断材料にする指針はありますか。
木野 「採算性」と「生産性」、この2つだと思います。減価償却を終えるまでに何年かかるのか。その間に機械が故障した場合、修理費はどれくらい必要になるのか。そこを考えてからじゃないと、「競合がハイテクな機械を使ってるから、うちでも使うぞ」的なことになると、採算が合わなくなる。
生産性も同じで、たとえば軽油の消費が増えて採算は悪くなるけど、そのぶん生産量が1.5倍になりました、なら導入する価値がある。要は、どれだけ会社で役に立つんですか、というところですね。
「なんとなくここは張れそう」「あっちは怖い」などの現場感覚は、数値で置き換えていくべきものでしょうか。
木野 いいえ。現場感覚を活かすべきです。絶対に。現場の人が経験から「怖い」と感じているのに、データが「大丈夫」と言っていても、大丈夫じゃないことのほうが多いんですよ。勘にも絶対に裏付けがあると思っています。その「勘どころ」の背景に何があるのかを探り、数値として説明できる形に翻訳することが、研究側の仕事だと思っています。研究の知見と現場の経験をすり合わせてこそ、データが現場で生きると考えています。
だから、現場の人が感じる「怖い」の中身を知ることが大切です。たとえば、路肩や路面が崩れるかもしれない、傾斜が急で重機が滑るかもしれない、ワイヤーや機械を支える木が弱いかもしれない。何を危険と感じているのかを一つずつ聞き取り、研究の評価にどう取り込めるかを考える。すぐに数値化できないなら、別の捉え方や評価方法を探す。それが重要だと思っています。
重機なら、傾き始めた段階で危険に気づき、戻せることがあります。でも架線は、いったん張って作業を始めると、ワイヤーにどれほどの負荷がかかっているのかを見た目では判断しにくい。だから今後は、張力の計算結果も線の色で示し、集材できるかどうかだけでなく、安全性の目安まで見えるようにしたいと思っています。
林業の担い手が減っていくなかで、林業機械はどのような役割を果たしていくとお考えですか。
長島 啓子先生(以下 長島先生) 機械は重要ですけど、そもそも担い手不足を考えるなら、待遇改善が一番大事なんです。山で木を伐り出す「川上」から製材などの「川下」までを会社として手がけ、現場の人をきちんと雇用できるところは、給与体系も働く環境も整っている。技術に応じて給料が上がる仕組みがあれば、若い人も入ってきます。
まずは若い人が入ってこられる体制をつくる。そのうえで機械が入れば、もっと効率化できると思います。人がいなければどうしようもない。でも、人が多ければいいわけでもない。効率化できるところでは機械を使う。その順番だと思います。
導入して、実際に使って、その癖がわかって、「うちはこの方法でこの機械を使う」と決まるまでには、1年と言わず、3年、5年とかかることもあります。今一緒に取り組んでいる事業体も、導入から3、4年になりますが、まだ試行錯誤を続けています。しかも、機械は高価です。レンタルや共同利用という案もありますが、組織ごとに現場のやり方も考え方も異なることも壁になっています。
これからの林業界をどう見ていらっしゃいますか。
長島先生 林業がうまくいかないのは何が悪いのか、誰の責任か。もう、その原因探しをしていてもしょうがないと思うんです。それより、山側から木を使う企業までが一緒になって、利益が山にも戻る新しい仕組みをつくりませんか、という話をしたい。
「あそこの会社、元気だよね」というモデルケースが一つ出てくれば、「あそこで山の仕事がしたい」と若い人も集まってきます。うちの学生にも、山に入りたい、フィールドで働きたいという子は結構いるんですよ。働ける場所があって、その情報が学生にきちんと届けば、担い手になりたい人はいるんです。
今の時流は、林業にとってむしろチャンスだと思っています。二酸化炭素の排出削減や生物多様性への対応は、企業も無関係ではいられなくなりました。CO2対策というと、太陽光発電や新しい技術に目が向きがちですけど、山をきちんと整備して、森がCO2を吸収し続けられる状態を保つことも、立派な対策なんですよ。
すごい技術に大きなお金を投じるなら、山にも投資したらいい。山にお金が回れば、森林の整備にも、林業の仕事にもつながります。そうした山の価値を、もっと企業や社会に伝えていきたいと思っています。


山を俯瞰する研究を通して
「利益・安全・楽しい」林業へ
木野さんが所属する森林計画学研究室は、山を「どこを、どのように管理するか」という視点から見る。人工林を伐採した跡地に広葉樹がどう戻ってくるかを追うモニタリング。能登半島地震で生じた崩壊地のうち、自然の力で回復する場所と、治山工事が必要な危険箇所を見分ける手法の開発。林野火災に遭った海岸林で、クロマツを中心とした従来の復旧にとらわれず、生物多様性に配慮した植栽プランの提案。 バラバラに見えるテーマの根は、すべて《プランニングで》つながっている。
林業機械を研究対象とするのも、同じ理由からだ。「人工林を維持できるかどうかを評価しようと思ったら、林業ができる場所かどうかを評価しなきゃいけない。その事業体さんが持っている機械によって、施業できるかできないかの評価は変わってくるんです」と長島先生は言う。
機械の話とプランニングの話は、切っても切れない。特徴的なのは、現場との距離の近さである。京都府立大学は公立大学として、地域への貢献を使命のひとつに掲げる。相談があれば森林組合と一緒に現場をまわり、要望を聞き取り、その条件に合わせて解析し、結果を返す。木野さんが「翻訳」と呼ぶ仕事は、この研究室のやり方そのものでもある。
研究の先には、次の段階が見えている。まずタワーヤーダーを置く場所を現場に決めてもらい、そこから先柱の最適な位置を計算する。それができたら、次はタワーヤーダー自体の設置場所も出せるようにする。最終的には、「この場所で施業したい」と入力すれば、タワーヤーダーと先柱をどこに置くのが最適かが一度に示される そこまで持っていきたい。

木野さんが描く理想の林業は、驚くほど明快だ。
「誰も死なない。少なくとも事業として赤字を出さない。今の林業って、事業なのに赤字を出すじゃないですか。それでは産業として崩壊している」
林業だから3K(きつい・汚い・危険)は仕方ない そんな理屈を、木野さんは受け容れない。それを改善するためのツールを提供するのが研究者の役割だと捉えている。
「たぶん、林業機械じゃない方法もあると思うんです。現場が儲かって、安全に作業できる研究ができるなら、それをやる」。
そのなかで、木野さんは自身の価値をどこに見いだしているのか。
「現場も知っているし、研究のこともわかる。内業も外業も一通りできる。広く浅くですけど、それが自分の経験であり、強みだと思っています」。
現場を知らない研究者と、研究を知らない現場。そのあいだで話が噛み合わないことも少なくない。
しかし、木野さんには共通言語がある。木を伐るのがどれだけ大変か、重機を扱う際、どこに危険が潜んでいるのか、いつ作業開始の合図を出してよいのか 身をもって知っている人間が、その経験を数字に置き換え、研究へとつなげている。
「架け橋ですよね。現場と、研究者と、管理職の人と。だから今後も現場には関わり続ける必要があるのかなと思っています」。
山の斜面に張られる一本のワイヤーの向こう側に、色分けされた地図がある。その地図は、現場の勘を否定するためではない。勘の根拠を読み解き、裏づけるために描かれている。



